春田は、徹也のアパートを後にしたその足で、新しい化粧品を買いに行った。

取れてしまった靴のヒールは、徹也がしてくれた修理でしっかりと付いていた。


そして休み明け、休みの間にしっかり練習をしたナチュラルメイクで出掛ける春田に、母親は娘がやっと正常なセンスを取り戻してくれたと思い、胸を撫で下ろすのだった。

それと共に、おそらく娘にそうさせたであろう謎の“彼氏”に、感謝したい気持ちだった。



高校へ登校すると、春田は教師からも生徒からも、思いのほか多くの人から驚愕の目で見られた。

そして、“ゴリラ”をはじめとする男達のイヤラシイ目付きに否応なく気付き、嫌な予感がした。