いけない保健教師〜気になる不良転校生〜

しばらく無言で見つめ合う二人だったが、徹也はフッと微笑むと春田の前に周り腰を屈めた。
手には、お湯で絞った青いタオルを持っている。


「顔を拭くので、じっとしててください」


「自分でするわよ」


そう言って春田はタオルに手を掛けようとしたが…


「その手じゃ無理ですよ。俺に任せてください」


春田が差し出した手は、手の平が擦りむけて血が滲んでいて、タオルを持つのは確かに無理そうだ。


「分かったわ」


春田はおとなしく徹也に顔を拭いてもらう事にして、そっと目を閉じた。


(私が好きな人は福山君、君なんだよ?)


(先生が好きな人って、どんな奴なんだろう…)