いけない保健教師〜気になる不良転校生〜

「このアパートです」


そう言われて春田が目をやると、それは新築っぽい洒落た感じの2階建てアパートだった。


「まあ。素敵なアパートね?」


「そうですか? 俺の部屋は2階なんです」


そう言って徹也は春田をおぶったまま階段に足を掛けた。


「あ、降りようか?」


「大丈夫ですよ。先生、意外に軽いし…」


「意外に、は余計なんじゃない?」


「そうですね。あはは」


徹也は笑いながら苦もなく春田をおぶって階段を上がったが、上がり切った所で小さく「あっ」と言って足を止めた。


春田が前方に目を向けると、廊下に一人の少女が、ドアにもたれるようにして立っているのが見えた。


「由美…?」


徹也はそう呟いた。