徹也は春田をおぶってスッと立ち上がると、内心のドキドキを春田に気取られないよう、平然とした口調で「行きましょう?」と言った。
「行くって、どこへ?」
「俺の家ですよ。先生の靴を直したり、傷の手当てをしないと…」
(顔も拭いてやらないとな)
そう言うと既に徹也は歩きだしていた。
「あ、でも、家の人がびっくりするんじゃない?」
「誰もいないから、大丈夫ですよ」
「え?」
「俺、アパートに一人暮らしですから」
「え、そうなの?」
「まずいですかね…?」
(一人暮らしの男子生徒の家に女教師が行く。しかも夜に、って…まずいに決まってるわよね?)
そう思う春田だが…
「いいんじゃない?」
口は逆の事を言っていた。
「行くって、どこへ?」
「俺の家ですよ。先生の靴を直したり、傷の手当てをしないと…」
(顔も拭いてやらないとな)
そう言うと既に徹也は歩きだしていた。
「あ、でも、家の人がびっくりするんじゃない?」
「誰もいないから、大丈夫ですよ」
「え?」
「俺、アパートに一人暮らしですから」
「え、そうなの?」
「まずいですかね…?」
(一人暮らしの男子生徒の家に女教師が行く。しかも夜に、って…まずいに決まってるわよね?)
そう思う春田だが…
「いいんじゃない?」
口は逆の事を言っていた。



