いけない保健教師〜気になる不良転校生〜

鈴木がレジで会計するのを春田は待っていた。本音としては、鈴木を置いてさっさと帰りたかったが、さすがにそれは失礼だろうと思ったから。


鈴木は財布からこれみよがしにクレジットカードを出していた。


「ご馳走様でした」


鈴木が会計を済ますと春田はお礼を言った。


「いえいえ、あんなはした金で礼には及びませんよ。あまりに安いんで、びっくりしましたよ。あっはっは」


(ほんとに、厭味な奴だわ!)


店を出ると、「では、失礼します」と春田は鈴木に言い、小さくお辞儀をした。ところが…


「僕の行きつけのバーで飲み直しましょう?」と鈴木は言った。