いけない保健教師〜気になる不良転校生〜

7日ぶりに見る徹也の瞳に春田は興奮し、大声で徹也の名を呼びたい心境だが、刺激してはいけないので静かに徹也に近付き、高鳴る胸を抑えながら、そっと声を出した。


「徹也…目が覚めたの?」


ドキドキしながら徹也の反応を伺う春田だが、徹也は焦点の定まらない目を上に向けているだけで、何の反応もなかった。


まだ意識が朦朧としているのだろうと春田は考え、意識が完全に戻るまで辛抱強く待とうと思った。


「徹也、喉は渇いてない? お水、飲む?」


春田が子供にするように優しく話しかけると、徹也はゆっくりと首を動かし、春田の顔を見た。


「徹也、私が誰か分かる?」


春田が今最も恐れているのは、徹也の記憶がどうなっているかだった。

徹也の意識が戻るまでは、それだけを祈っていたのだが、いざ意識が戻れば、今度は自分への記憶を心配している。

我ながら現金だなと思う春田なのだが…