今日の待ち合わせ場所は、いつもの駅の近くにある、安さで有名なイタリア料理のチェーン店。


(彩香ったら、早く軽く済ませて、その後は彼氏の家に行ってお泊りするんだわ。そんな簡単には帰してあげないんだから!)


店に入って先に来ていた彩香を見つけると、彩香も春田に気付いたが、立ち上がって目を真ん丸にした。


「お待たせー」


「あわわわ…、タイムスリップ?」


「はあ?」


「も、もしかして、あんた、生き霊?」


「彩香ったら、何言ってんのよ…。カッコ悪いから座ってよ?」


「う、うん…」


彩香はゆっくり座りながら、春田の顔をまじまじと見つめた。


「あんた、美沙子だよね?」