いけない保健教師〜気になる不良転校生〜

「な、何ですか?」


春田はギョッとしながら後退りした。


「身を固めてしまえば良いのではないですかな? 美沙子先生」

「身を固める、ですか?」


「そうです。つまり、結婚ですな」


「結婚? まあ、それは私も考えなくはないですが…」


「おお、そうですか? なら話は早い」


(何の話が早いのよ!)


“ゴリラ”はなおも春田に寄って行き、後ずさる春田だったが、背中が棚にぶつかってしまい、それ以上避けられなくなってしまった。


「ボクがまだ独身だという事は知ってますよね?」


「あら、そうでしたか?」


「そうです。つまりボクには権利があるんですな」


「な、何の権利でしょうか?」


「美沙子先生、あなたに求婚する権利に決まっとるじゃないですか」