「七岡!」
「えっ? …あ、はい!」
何故かピシッと姿勢を正す。
「勉強教えてくれ!」
「…へ?」
「七岡って頭いいだろ? だから…」
「え、で、でも」
「赤点取らないくらいの点数でいいんだ!」
両手を前であわせて頭を下げる三谷くん。
「わ、私でいいの? もっと頭のいい人、クラスにもいるし…」
「その頭のイイやつの中で、仲良いヤツいないんだよ」
わ、私も仲良く…は無いはずなんだけどな。ストーカはしてるけど。
「これも何かの縁って事で! 頼むっ!」
「う、うん…。 私でよければ」
そう言うと、三谷くんは笑顔になった。
まさか、こんな展開になるなんて!
私は嬉しさで心臓がバクバクいっていた。
三谷くんはバスケをしに行くのをやめて、クラスの教室で勉強しよう、と言いだした。
担任の先生にも許可をもらって、教室を借りることにした。
絵里は、気をきかせてくれたのか、帰ってしまった。
教室には私と三谷くんのふたり。き、キンチョーする!


