「あ、次日本史だよね! 倖田先生の授業面白いんだよな~! ちょっとトイレでメイク直してくるね!」
…まだ朝なのに?絵里は結構ミーハー。
でも三谷くんには興味ないみたいで良かった。
倖田先生は、日本史の先生で先生のなかでは一番のイケメン。
学校全体でいうと、2年生の副生徒会長が人気らしいけど…まったく興味ない。
日本史の教科書を開く。
三谷くんは…寝てる。
倖田先生がやってきて、教科書を丸め、スコン!と叩かれていた。
クラスの皆にまじって、笑っていた。
勉強は、苦手みたい。
そのかわり、体育が好きな三谷くん。
もうすぐテストだけど、大丈夫なのかな?…私もだけど。
「ねえねえ、のぞみ! 倖田先生に勉強教えてもらいに行こうよ!」
お昼休み。お弁当を食べながら絵里が言う。
「私、日本史は暗記するつもりだし…暗記得意だから。 それよりも数学の方が知りたいかなあ…。だから、多持先生の方がいいかな」
多持先生とは、数学の先生で、何故か関西弁。
怒ると怖いけど、真面目な生徒には優しい。


