デートの最後に必ず立ち寄る行きつけの喫茶店。
俺は、勝負に出た。
「真紀(マキ)。この後俺の部屋こない?」
「智(トモ)の部屋?」
わずかにカップの底に残ったミルクティーをゴクリと飲み干した真紀が、カップを両手で包み込むように持ったまま、クリクリした目で俺を見つめた。
俺の心臓はバクバク音を立てている。
真紀は真剣な俺の表情に、何を伝えたいのか分かったようで、恥ずかしそうに頬を染めた。
そして、カップを静かにテーブルの上に置くと、
「いいよ」
と小さく呟いた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…