一束だけ違う方向にはねている髪の毛も、ちょっとしたことですぐに赤く紅潮する頬も。
かわいいよなぁ…。
見とれている間に、コトはどんどん話を進めていく。
「久楽は何も考えずに引き受けちゃうからダメなのよ。
もっと損得考えたらいいのに」
「それを言うなら…、コトだってそうじゃないの?」
「私?」
何のことだかわからないと言いたげに目を丸くする彼女。
パンフレットを作っていた手が止まる。
「俺のお世話して、何も得することはないと思うんだけど」
そう言うと、コトはちょっと罰が悪そうに顔をそらした。
自分が言ったくせに実行できていないことが悔しいらしい。


