「久楽ってさぁ、ほんとお人よしだよね」
そう言いながらイスを引っ張って来て、俺の隣に腰を下ろす。
それはお互いさまだと思う。
不幸が付きまとう俺の側で面倒を見ているコトだって、相当のお人よしだ。
ほら、今もさりげなくパンフレット作りを手伝ってくれる。
「別にお人よしじゃないよ、普通だって」
「そんなことない。このパンフレットだって、断ればよかったじゃない」
「それは先生が困ってたから…」
「そういう所よ!」
コトが長くて綺麗な人差し指で俺を指差す。
俺だけに向けられる視線に、ドキドキする。
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