史上最強コイビト伝説



昼休みにパンを買いに行けばお目当てのものは売り切れ、掃除の時間に真面目に床を掃いていればいきなりほうきが壊れ。

そのたびコトがやって来て、俺の周りに危険が無いか確認しながら一緒にいてくれる。


申し訳ないけど、コトと一緒にいると危険が去っていくのは本当だ。

それは単に俺の気持ちが舞い上がっているだけかもしれないけれど。



だけどそんな幸運と不運のバランスを保つのも、そろそろ限界が来たらしい。

それはある放課後のことだった。


「久楽、何してるの?」

「このパンフレット作っとけって、先生に任された」

俺の側にある膨大な量の資料を見て、コトがため息をつく。