コトがしゃくり上げながら俺に怒鳴る。 「くっ、久楽のバカ。私だって、久楽がケガするの嫌だよ!」 「大丈夫だよ、どこも痛くないし」 かすり傷はいっぱいあったけど、歩けないわけじゃなかった。 「きっと、コトがいてくれたからだね」 だから無事でいられたんだ。 「ふえぇ…、久楽のバカ、バカぁ」 そのままコトを抱きしめる、なんて勇気はないから、俺はそっとコトの手を握る。