俺が下駄箱に行くと、コトはもう靴を履き終えて道路の方へ向かっていた。 すごい俊足だな、さすがコト。 なんて感心している場合じゃないんだけど。 「コト、待って…っ!」 コトが一瞬こちらを振り向く。 その顔はすごく怒っているようにも、泣きそうにも見えた。 俺が精一杯の力を振り絞って走ると、彼女もあわてたように加速する。 「待ってよコト、待って!」 「やっ、来ないで!」 そのまま無我夢中に走るコトは、信号なんてまったく無視して道路に飛び出す。 そして、向こうからは車が――。 「コト!!」