時が止まったって、きっとこういうことを言うんだろうな。
何か弁解しようと口を開いたけれど、何を言えば信じてもらえるのかわからない。
そもそも、何を信じてもらうんだ?
付き合っているわけでもないのに。
そんなことをごちゃごちゃ考えているうちに、コトは走り去ってしまった。
「あ、コト、待って!」
俺はゆっくりと女の子の腕を解く。
「あの、気持ちはうれしいんだけど…。俺には、不幸を打ち消してくれるぐらい幸福な人が付いてないとダメなんだ」
っていうのを、コトに言えたらどれだけいいか。
そして俺は走り出す。
まだ気持ちも言えそうにはないけれど、一緒に帰るぐらいはいいじゃないか。


