******* 家に帰る途中で何度も漏れていたため息は、帰宅してから益々その回数を増やしていた。 今頃、女の子といるんだよね……? 村上君が今どうしているのか気になって、頭の中は彼のことでいっぱいだった。 『行かないで』 本当は、そう言いたかった。 形振り構わずに、村上君のことを引き止めたかった。 だけど……。 恋人でもない私が、そんな身勝手な発言をするわけにはいかない。 自分自身が生んだジレンマが、私の心を苦しめた。