周囲には聞こえないくらいの声で話した課長は、去り際に一瞬だけ私の後ろに視線を遣り、再び意味深な笑みを浮かべた。
思わずその表情に飲み込まれてしまいそうになったけれど、慌てて我に返る。
気を取り直してデスクに戻ると、久美がニヤニヤと笑っていた。
「村上君のことは諦めて、課長と逢引でもしてたの?」
「あのねぇ……。逢引って……」
「はいはい、わかってるって。それより、昨日はホッチキスまでありがとね。追加の資料も助かったわ」
どこまでもマイペースな同僚に呆れ、ため息が漏れた。
思わずその表情に飲み込まれてしまいそうになったけれど、慌てて我に返る。
気を取り直してデスクに戻ると、久美がニヤニヤと笑っていた。
「村上君のことは諦めて、課長と逢引でもしてたの?」
「あのねぇ……。逢引って……」
「はいはい、わかってるって。それより、昨日はホッチキスまでありがとね。追加の資料も助かったわ」
どこまでもマイペースな同僚に呆れ、ため息が漏れた。



