シュークリーム

資料室で課長と会った、あの日──。


課長からオススメのカフェを訊かれて、レトワール・ユニックのことを教えた。


そして、オフィスに戻ったあと、課長はデスクに着く前に私の腕を掴んで耳元で囁いた。


『次の休みに行くから』


課長はあの時、『森のおすすめのカフェに好きな女性を連れて行く』って意味で、あんな風に言っただけ。


だけど……。


たまたまどこかであの言葉だけを聞いていた村上君は、課長が『森の家に行く』って意味で言ったんだと勘違いしたのかもしれない──。