「へぇ~、言いたくないならいいけど……、あっちの女子達、メッチャあんたの事、睨んでるわよ」

「え……?」

 横を向くと、さっきまで冬馬と話していた女子達が、わたしの事を凄い形相で睨んでいた。

「大変ねぇ~、あんたも」

 冬馬はモテる。だから、いつも一緒に居るわたしは、かなり女子達に嫌われている。
 
「うぅ……全部、冬馬の所為だ……」

 でも、考えてみれば、なんで冬馬はわたしと居るんだろう?
 幼なじみだからかな?
 冬馬の携帯には殆ど女子のアドレスはのっていない。
 それどころか、特定の女子と長く一緒にいる場面なんて、見た事が無い。
 ……まあ、三次元に興味が無いのも理由でありそうだけど。
 でも、じゃあなんで、わたしとは一緒に居るんだろう?
 もしかして、女の子として見てくれてないのかな……?
 ……解かんないや。