「なあ、美羽。……と、恵子ちゃんか、久しぶり」

「わぁ!?」

「どもっ、久しぶり、藤崎君」

 前触れも無く、突然、背後に現れた冬馬にびっくりして、わたしはビクついた。

「な、なに、どうしたの、冬馬!?」

「いや……ちょっと、クラスの女子たちに遊びに行こうって誘われたんだけど……」

「そ、そう。行けば……」

 行かないで欲しい……
 本当はそう思った。

「いや、それがさ……」

 冬馬は恵子の方を気にしながら、わたしの耳元に口を近づけた。

「今日、ゲーム買いに行きたいんだよ。だから、お前と約束あるって嘘ついたから、話、合わせといて」

「え、ちょっと!?」

「じゃ、よろしく!!」

 言いたい事だけ言った冬馬は、教室を出て何処かにいってしまった。
 
「まったく……」

「ちょっと、なになに、今のひそひそ話!? ラブラブ会話!?」

「ち、違うって……」

 そんな甘い話なら、大喜びなのに……
 って、また何考えてんのわたし!?