ドアノブに手をかけ、わたしは冬馬の部屋の扉を開けた。

「ぐ~、ぐ~……」

 ベットの上で眠る、可愛らしい寝顔。
 男のくせに、うらやましいほどツヤツヤな頬に長いまつ毛。
 冬馬の寝顔は昔から見ていても、わたしは寝顔が好きだった。
 けど……けどね……
 
「はぁ~……」

 認めるよ。
 冬馬は顔がよくて、頭もよくて、性格も優しくて好きだよ。
 けど……溜息がでちゃうんだよね。
 わたしは、冬馬の部屋を見渡した……