オタクは……冬馬はさ、解かって無いんだよ。
 部屋にあるゲームや人形が、普通の人間から見たら、どれだけキモイかって事。
 ううん、少しは解かってるよね。
 だから、学校でもオタクな事を隠してる。
 だったら、本当の本当に教えてあげる。
 その趣味がどれだけキモイかって事!!


 わたしの考えた作戦は簡単だ。
 要は冬馬の印象をある程度の人数の人がキモイと言ってあげればいい。
 例えばお洒落なカフェ……
 冬馬には少し、可哀想だけど、そこでわたしが、冬馬の買ったゲームの中身を大げさに床に落としてしまえばいい。
 そしたら、みんなは床に落ちたキモイゲームに目が行く。
 そうなった時……痛い視線が飛んでくるよね、恥ずかしいよね。
 一緒に居るわたしも恥ずかしいけど、冬馬の為だもん。我慢するっ!!
 けど、それは、普通の人が居る、お洒落なカフェだから出来る事であって……

「すいませ~ん。この『べ、別にアンタの為に煎れた訳じゃないんだからねコーヒー』と『お兄ちゃん大好きっショートケーキ』下さい!!」

「かしこまりました、ご主人さまぁ!! そちらのご主人さまはどう致しますか?」

「……同じものでいいです」

 メイド喫茶とか聞いてないよっ!!