「ど、どうしたの?」 「大樹が探してた。 百合ちゃんに用があんだって」 「わかった。 わざわざ探してくれてたんだ。 ありがとう」 ううん、と笑い 瀬戸君は再び佐山を凝視する。 ん?と不信に思う。 どうして、何も話さないんだろう? 知り合いじゃなかったのか? 「大樹、教室にいるからさ」 その言葉に、 あたしは佐山に手を振り、 走り出した。 大樹があたしを探してるなんて珍しい。 今日はお弁当の約束もしてないのに。