水曜日の彼女


 彼女は鼻をすすりながら弁当を選んでいる。

 手に持ってる傘が邪魔そうだ。


 …アイスなんか食うから風邪が治らないんだよ。


 弁当を選び終えた彼女は結構な値段のする栄養ドリンクを手にレジに向かった。


 俺は淡々と会計をこなす。



 こんなに近くにいても冷静でいられる。やっぱり憧れだけの気持ちだったんだ。


 そう自分で納得して彼女にお釣りを手渡した。

 彼女は無表情のままレジから離れ去っていく。


 俺は何気なくレジのカウンターに目をやって

 「あっ!」

 と、声が出た。


 ー 傘を忘れている…!!