二人で教室に戻ると、健二が笑顔で駆け寄ってくる。
「お前ら!やあっと仲良くなったんだな!」
「は?」「え?」
「なんか最初っからお前らギクシャクしてたし、なんか違和感あったんだよなあ。」
でも、今は自然だし、よかった!と健二は二人に抱きつく。
遥と冬樹は顔を見合わせて、笑う。
「元から仲良いっつーの!」
遥はふざけて、健二を力強く抱きしめた。
「いでででで!」
ボキボキ、と嫌な音がなり ギブギブ! と声をあげる。
それを見て冬樹の笑いがさらに大きくなった。
「俺、遥に負ける気はないけど・・・遥だったら許せるよ。」
ぼそりとつぶやいた言葉は二人にしっかりと届いていた。
「・・・おう。俺も。」
「何々!?もしかして冬樹も地味狙い?」
「まあ、ね。」
健二は狙うなよ、というと 絶対ないない! という。
「俺には佐々木理子っていう本命がいるんだからな。」
地味に構ってるヒマなんかないって、と笑う。
それを聞いて遥は思い出したような顔を見せた。
(・・・健二は、理子が好きなんだった。)
本気かどうかはよくわからないが好意を抱いていることは確かだ。
しかし理子は、自惚れではないが自分に好意を抱いている。
ややこしいことになりそうだと思った。
「全員席につけー。」
丁度担任が入ってくる。
SHが始まった。


