「はーるーか!」
学校につくと、真っ先に健二がやってきた。
「おはよ。」
「おはよー、ったく、昨日は死ぬかと思った。」
反省文書くのに夜中までかかったぜ、とため息をつく友人に俺も、と同意する。
「反省文出してきた?」
「うん、俺は今だしてきたとこ。早めにだしてきた方がいいぜ?」
「そうするよ。」
遥は自分の席にカバンを置くと反省文を持って職員室へと向かった。
「あ、遥くんっ!」
「おはよ、理子。」
途中で話しかけられ、立ち止ると彼女は困ったような表情を見せた。
「マネージャーの件なんだけど・・・筧さん、謹慎になっちゃったじゃない?
だから、きっと無理だと思うの。けど、真面目に仕事してくれそうな人
ほかにいなくて・・・。」
どうしよう?と首をかしげる。
遥は合宿があることを今思い出した。たしか、明日だったはず。
「・・・俺、一応顧問に聞いてみるよ。」
「そう?ありがとう!」
「いいよ、どうせ職員室いくし。」
「なら、よろしくね!」
ありがと、とほんのり頬を赤く染めて礼をいう理子に遥も笑顔を向けた。
「失礼しまーす。」
職員室に入り、指導部の教師に反省文を手渡す。
「次から気をつけろよ。」
「・・・ハイ。」
なんとか許してもらえたらしい。ほっとした。
次に部活の顧問の八木の元へ行くと、あ!と声をあげた。
「遥!お前合宿前に問題を起こすなよなあ。」
「あ、スイマセン。」
「まったく・・・で、佐々木からも話があったんだけどマネージャーなんだが・・・。」
「あと何人必要なんですか?」
「二人くらいかな。佐々木一人じゃいろいろと難しいだろう?」
「なら、筧海とかは?」
「アイツは謹慎中だろう。」
「だけど、あいつのほかに真面目に仕事してくれる知り合いなんていないし・・・、」
「まあ、確かになあ。」
遥はモテるからな、とにやりと笑う八木に彼は呆れたような表情を見せた。


