モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語



その後海は教師とともに職員室へと向かった。

2年担当の教師たちは話し合い、そして校長に相談をしている。

約一時間くらいだろうか。

複数の教師が海の前に立つ。


「一週間の停学処分とする。

今回お前がしたことは、本来なら警察へと言うべきなんだが・・・

学校にもいろいろと事情がある。退学にならなかっただけありがたいと思いなさい。」


「・・・っ、はい。」

海は愕然とした。

退学にならないだけマシだが、停学になるなんて思ってもみなかった。

本当の事を言ってしまいたい。

けれど、できない。


「今すぐ鞄を持って、早退手続きをとって帰りなさい。

停学中、外へ出歩くことは禁止するからな。」

「・・・はい。」


海は俯き、返事をするしかできなかった。










「・・・わたし、どうすればいいの。」

思い出し、そして海は悩んだ。

どうしようもできない。

クラスメイトにも嫌われて、遥や冬樹にも絶対に嫌われた。

そして、盗みをした事になっている。

最悪だった。

海は膝をかかえて座り込む。

いっそのこと死んでしまいたいと考えてしまう。

一時は自分は変われたと思っていた、けれど実際は変われてなんかいなかった。

否、私は変われないのかもしれない。