その後海は教師とともに職員室へと向かった。
2年担当の教師たちは話し合い、そして校長に相談をしている。
約一時間くらいだろうか。
複数の教師が海の前に立つ。
「一週間の停学処分とする。
今回お前がしたことは、本来なら警察へと言うべきなんだが・・・
学校にもいろいろと事情がある。退学にならなかっただけありがたいと思いなさい。」
「・・・っ、はい。」
海は愕然とした。
退学にならないだけマシだが、停学になるなんて思ってもみなかった。
本当の事を言ってしまいたい。
けれど、できない。
「今すぐ鞄を持って、早退手続きをとって帰りなさい。
停学中、外へ出歩くことは禁止するからな。」
「・・・はい。」
海は俯き、返事をするしかできなかった。
*
「・・・わたし、どうすればいいの。」
思い出し、そして海は悩んだ。
どうしようもできない。
クラスメイトにも嫌われて、遥や冬樹にも絶対に嫌われた。
そして、盗みをした事になっている。
最悪だった。
海は膝をかかえて座り込む。
いっそのこと死んでしまいたいと考えてしまう。
一時は自分は変われたと思っていた、けれど実際は変われてなんかいなかった。
否、私は変われないのかもしれない。


