モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語


「遥、やめとけって!」

健二が遥の腕を掴んで抑えるが、遥はそれを払い目の前の男子生徒に向かっていく。


「キャー!喧嘩よ!」

「誰か先生呼んできて!」


「遥!やめろよ!」


さっきは自分を庇ってくれた遥が喧嘩して停学になったら、

なんだか居心地が悪い気がした。

冬樹は遥を止めるが、完全に頭に血が上っている彼は止められそうにない。


海に何かが起きているかもしれないという不安と、

自分の中にあるもやもやした感情がまじりあう。

そして、何よりも目の前にいる生徒が海を馬鹿にしたことが許せなかった。


「てめっ、」

男子生徒が遥に向かって殴りかかる。

それに便乗したほかの生徒3人も遥に殴りかかった。

4対1。完全に遥が不利である。

「お前ら!4対1は卑怯だろ!!]

「うるせーんだよ!」

健二の叫びにイラついた生徒が彼を殴る。

「健二!」

それを見た遥がさらにキレた。