遥は身を起こして、驚いたような表情で理子を見る。
理子の心臓は、ドクドクと脈売っていた。
(あたし・・・何しようとしてっ///)
かああ、と顔が熱くなる。
この気持ちがなんなのか知っている。
遥が隣にいるだけでドキドキして、自分だけにその視線を向けてほしくて、
気づいたら彼を押し倒して、
遥の瞳の中に自分だけを映そうとした。
「なあ、理子。」
遥が突然口を開いた。
「部活の連絡事項って?」
「あ、それなんだけど。明後日から三日間合宿が始まるの。
しおりに細かいことは書いてあるから見といてね。」
理子は持ってきていた鞄からしおりを取り出すと遥に渡した。
「けどねー、マネージャーが足りないの。
誰かボランティアで手伝ってくれる人いないかなあ。」
遥君目当てのボランティアは仕事してくれないから遠慮するけど。
と理子は笑う。
遥は少し考えて、頭に海が浮かんだ。
「・・・俺と同じクラスの、筧海は?」
「筧さん?」
「うん、アイツ真面目だし・・・俺の、遠い親戚だし。」
理子は少し考えてから、困ったような表情をした。
「たしかにちゃんと仕事してくれそうだけど・・・
ちょっと先生に聞いてみるわ。」
「うん。」
「で、話変わるんだけどさ、」
理子は遥をじっと見た。
「な、何?」
「彼女っているの?」


