「・・・保健室行ってくる。
あ、担任には腹痛って言っといて。康平、停学になりたくないだろ?」
遥は笑顔を見せた。
そしてクラスが茫然としているのを見て、
「皆、内緒にしてな。」
と告げる。
それを見た女子生徒が、遥に見惚れて顔を赤く染める。
冬樹は慌てて、遥に付き添い後を追って教室を出て行った。
「遥、ありがとう。」
「いいよ、俺が好きでやったわけだし。」
あそこで騒ぎが大きくなったら、めんどくさいし。
と遥は言うが、冬樹は、なんとなく彼の本心に気づいていた。
「遥は、海ちゃんが好きなんだ?」
「は!?ありえないし。なんでそうなんだよ!」
内心動揺していた。
遥は冬樹を見る。
「あそこで騒ぎが大きくなったら、海ちゃんにも迷惑かかるし・・・
遥の事だからそれを考えて俺をかばったのかと思った。」
遥は目を大きく見開いた。
「そ、そんなわけねーだろ。」
どうやら図星だったらしい。
「そう?・・・俺は、海ちゃんが好きだ。遥に遠慮はしないよ。」
「なっ・・・。」
「遥には負けない。」
冬樹は挑発的な笑みを遥に向けた。


