「・・・馬鹿海、俺の事何も知らないくせに、
適当なことばっか言って・・・。」
(あーもー、)
あいつは絶対俺がこんなに好きで苦しいってこと知らない。
自覚すればするほど可笑しくなっていく。
海の笑顔が俺じゃない誰かに向けられるだけで嫉妬するほどなのに。
ヴー、ヴー、
ふいに携帯が鳴った。
遥はぼんやりと携帯を手に取り、メールを見る。
<理子が遥のアド教えてほしいっていうんだけど、教えていい?>
それは冬樹からだった。
遥は少し考え、部活のマネージャーだし、いいかと軽い気持ちで
いいよ と冬樹に返信した。
するとすぐに理子からメールが来る。
適当にアドレス帳に登録すると、遥はため息をついた。
*
次の日、遥は海と学校へは行かずに一人先に家をでた。
海はそれを見てチクン、と胸が痛む。
クセっ毛のせいでボサボサになった髪の毛。
昨日買ってもらったアイロンを見て海は悩む。
(・・・。)
とてもじゃないが、今日は使う気になれなかった。


