「遥君の家に入っていくよ!?
何!?誰!?」
理子は驚き、遥の腕を引っ張った。
「ちょ、おい!理子!」
「三守くーん!」
「離せって!!」
遥の声を無視し、お構いなく引っ張って走る。
理子の声に気付いた冬樹と海が立ち止り、
声のした方向を向いた。
「遥・・・?と、佐々木さん?」
「うん!初めまして。あたしのことは理子でいいよ。
で、早速だけど三守君の目の前にいる女の子誰?」
「え、この子はう「あーー!!!俺の親戚!!親戚!!」
遥は慌てて叫んだ。
「すっごく美人だね!顔、遥君に似てるし・・・
双子かと思ったよ!」
「んなわけねーじゃん。なあ?」
「うん、そんなわけないよ!」
ただの親戚だよ、親戚、と二人は苦笑する。
「親戚というのはあってるけど、
どうして彼女がう「あー!」ちゃんってことを隠すんだ?」
言うな!と遥は視線で冬樹に訴える。
遥は海が本当は美人だということをなるべく人に知られたくなかった。
それに、冬樹には聞きたいことが山ほどある。
とりあえずこの状況をどうにかするべく、
遥は理子を帰らせることにした。
「じゃ、ここが俺ん家。
わかっただろ?だから帰れよ。」
「え?ここが遥の家?同じ家に住んでるの?」
「コイツの親が海外旅行行ってて、その間だけ家で預かってんの。」
苦しい言い訳に聞こえたかもしれないが、
遥は無理やり笑顔をはりつけ冬樹にそう答えた。