それから約一時間後、
無事に部活を終えた遥は部室で制服に着替え
帰路につく。
「遥くーん、また明日ねー!」
「ばいばい!」
ファンクラブは遥に手をふると、部活を見れて
満足したのか帰っていく。
どうやら、遥に恋心を抱いているのではなく
アイドルのような憧れの存在だと思っているらしい。
遥はため息をつきたくなった。
「じゃあな、遥!」
「じゃーな。」
健二とは帰る方向が逆な為に、校門前で別れた。
「あ、遥君!」
「ん?」
呼ばれて振り向けば、急いできたのか息を切らした理子がいた。
「理子・・・さん。」
「理子でいいって!ね、途中まで一緒に帰らない?」
「・・・いいけど。」
断る理由がない。
遥は頷く。
二人並んで帰宅するのはなんだか変な感じがした。
「遥君って、やっぱりモテるわね。」
「んな事ないよ。」
「ファンクラブまであるじゃない。すごいなあ。」
理子は笑顔を絶やさない。
遥も自然と笑顔になる。
「そういえば、遥君はどのへんに住んでるの?」
「あ、俺は永井町。」
「え!?ほんと!?あたしもそうなの!」
「マジ?」
「マジマジ!ねえ、家までついていってもいい?」
「え。」


