教室についてから、
海はいつものように暴言を吐かれていたが
対して気にしていなかった。
それどころか、睨み返している。
そういう面では強くなったと思う。
遥は面白くなさそうな表情で自分の席につき、
海を見ていた。
「遥くぅーん。」
「あ?」
もう寄ってこないと思っていた女子が一人、
遥のもとに来た。
「何?」
「地味・・・筧さんとは付き合ってるの?」
「付き合ってねえよ。」
「あれ?でも、昨日は・・・。」
「あれは、別に深い意味はないけど。」
海を抱きしめた時の事を言っているのだろう。
そう答えると女子は安心したような表情になり、
やっぱり遥君だ!と嬉しそうな声をあげた。
「私、遥君を誤解してた!」
「え?」
「遥君も、冬樹君みたいに優しいだけだったんだね!
筧さんを気にしてわざと仲良くしてるように見せかけて、
遥君の力で、イジメをなくそうと考えていた・・・そうでしょ?」
「いや、別に・・・。」
そういう考えが全くなかったわけではない。
けど、何かが根本的に違う気がする。
遥は戸惑う。


