モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語



「遥、それは俺に対して失礼じゃない?」

「どっちがだよ。」


冬樹は笑った。

「・・・遥、」

いつもより低い声音で、海に呼ばれる。

遥は驚き冬樹から遥に視線をうつした。


「なんだよ海。」

「・・・今の遥、可笑しい。」

「は!?」

「三守君の優しさをどうして素直に受け止められないの?」

「何言ってんだよお前、」

「・・・・。」

海は遥を睨む。

こんな海を見たのは初めてかもしれない。

それを見た冬樹がバレないようにニヤりと笑った。




「筧さん、一緒に行かない?」

「・・・・いいの?」

「当たり前だろう。俺が誘ってるんだから。」


(なにが、俺が誘ってるんだからだよ。

あいつなんでいちいち上から目線なんだ?)


気づかない海も海だ。



海は冬樹に腕を引かれて先にいってしまった。


(勝手にしろよ、馬鹿)


もう海なんか知らねー、と心の底で思った。

実際、自分より冬樹をとった彼女が気に食わない。



「・・・はぁ。」