モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語



登校中、遥は何度もありえねえと呟いていた。

そんな片割れを見て海は苦笑する。


「あー、昨日の海、皆に見せてやりたかった。」

「別にいいよ。遥に見てもらえれば、それでいいから。」

「っ、お前///絶対確信犯だろ!?」

「え、ええっ!?」

そういうこというのやめろ!と遥は声をあげた。




「遥、筧さん、おはよう。」


「は?あ、冬樹・・・。」

「み、みかっ三守君・・・。」

「どもるなって言っただろ。」

「ごめんなさい・・・。」

「俺、謝るなとも言ったよな!?」

「・・・仲いいね、二人とも。」


「お前、どういうつもりだよ。」


普通に話しかけてくるのは冬樹しかいなかった。

遥はそれを素直に喜べない。

彼には何か裏がありそうな気がしてならなかった。


「どういうつもりって?ひどいなあ、俺は遥のこと友達だと思ってたのに。」

「・・・。」

遥には見下すような笑顔にしかみえない。

海は冬樹を見上げて、 ありがとう と礼を言った。

「いいよ、あいさつくらい。」


(挨拶くらいってなんだよくらいって。挨拶してあげてるみてぇな言い方)

遥は冬樹を睨む。


「遥、冬樹君にそんな目向けちゃダメだよ」

「は?」

「どうしてにらむの?」

「俺は正直、あんまり関わらない方がいいと思う。」