「海、ただいまっ・・・。」
懐かしい声、感触、匂い。
すべてが近く、愛しく感じられた。
海の目に涙が浮かぶ。
「っ、おかえり・・・遥、。」
刹那、キャーという歓声があたりから舞い起こる。
「・・・見せつけてくれるわね。」
「でも、遥らしいな。」
な、冬樹。と健二は隣に立つ冬樹に声をかける。
「ああ、そうだな。」
冬樹は綺麗に微笑んだ。
「遥ー!」
健二は我慢できずに大声をあげる。
それに気づき、遥は海から離れるとやっと視線を向ける。
「え?健二・・・それに冬樹と理子も!」
「ひさしぶり、遥。」
「うん。」
「お前、理子と健二と一緒なクラスだよ。」
「海は?」
「俺と一緒。」
勝ち誇ったような笑みを浮かべる冬樹にムッとした表情を見せてから、
吹き出すようにして笑った。
それにつられて冬樹も笑う。
色々問題はあったけど、高校の時と何も変わらない。
唯一変わったといえば、見た目くらいだ。
「海はあげないから。」
口元を引き上げて、不敵に笑うと
遥は海の手を引いて歩き出す。
「は、遥!?」
「海。」
なに?と言おうと口を開いた時だった。
唇に触れた暖かい感触に、驚く。
「大好き。」
「~っ///」
ぼん、と彼女の顔が真っ赤に染まる。
「わ、わたしもっ///大好きだよ!」
遥は嬉しそうに微笑み、
もう一度口付けた。
END


