大学前で、クラスわけの紙が配布されていた。
二人はそれを受け取り、自分の名前を探す。
「海、何クラス?」
「私Bクラスだ。理子は?」
「Cクラス・・・あたしは健二と一緒だ。海は、冬樹君と一緒ね。」
「そうだね!知ってる人いて良かった。」
理子と海が笑い合っていると、突然あたりが騒がしくなる。
「え?誰あのカッコイイ人。」
「こっちくるよー!」
「同じ大学っぽいよ!」
「・・・何かあるのかな?」
まわりの会話を聞き、海は首をかしげる。
「あれ?理子と筧じゃん!」
ば、と突然肩をたたかれ驚いて振り向く。
「健二!あんた来るのが遅いのよ!」
「悪い!冬樹が歩くの遅くてさー。」
「人のせいにしないでくれるかな?」
「あ、冬樹くん!卒業式ぶり。」
「うん。海ちゃんも元気そうでよかった。」
高校の時と何も変わらない3人に、海は微笑む。
「それより、この騒ぎは何よ。」
理子はめんどくさそうな表情を見せた。
そんな彼女に健二と冬樹は顔を見合わせて笑う。
「きっと、筧に用があるんだよ。」
「え?私に?」
「そ。」
「あーあ、フリーの間に俺のモノにできなかった。」
「どんまい冬樹。」
ぽんぽん、と健二は冬樹の肩をたたく。
女子の歓声がだんだんと近づいてくる。
「もしかして、」
海は大きく目を見開いた。
ばっ、
人混みから、誰かが目の前に現れた。
「っ!」
目の前の人物は目を見開き、そしてすぐに笑顔を見せると
強く海を抱きしめる。