それから数時間後。
二人は無事家まで送り届けられた。
改めて家の前に立つと、緊張が走る。
「もう家出はするなよ。」
警官に言われて ハイ、 と返事をすればポンポンと背中を軽く叩かれた。
警官は警官なりに頑張れと言いたいのだろう。
小さく礼を言うと警官は笑顔を見せて帰って行った。
がちゃり
突然、家のドアが開く。
ドクン、ドクン。
「遥!海!」
「母さっ、」
最後まで言葉になることはなかった。
そのまま母親に強く抱きしめられる。
「無事で、よかった。」
「・・・ごめんなさい。」
こんなに心配をかけるとは思っていなかった。
涙声の母親の背中に手をまわすと、さらに強く抱きしめられる。
母親の後ろでは父親が困ったような表情で笑っていた。


