「あ。」
「?」
遥が声をあげ、視線を向けた先には林檎飴の屋台があった。
それを見て、海は微笑む。
「遥、昔から林檎飴が好きだもんね。」
「・・・うん。」
「ちょっと待ってて。」
海は遥から離れて屋台へと向かう。
「はい。」
買って戻ってくると、遥に林檎飴を差し出した。
「ありがとう、海。」
少し照れながらそれを受け取る。
「食べる?」
遥は海に差し出した。
それを見て少し頬を赤くして海は一口食べた。
「おいひい。」
嬉しそうに笑う。
「可愛い。」
「っ、ゴホ、ごほっ///」
急な発言に驚き、海は思わず咽た。
ヒュー、
ドオン。
また大きな花火があがる。
自然と二人の視線は空へとうつる。
ぎゅ、
自然と、繋ぎなおした手に力がこもった。
「海、どこ行きたい?」
遥は静かに問いかけた。
「花火が見える、静かなところに行きたい。」
苦笑まじりに遥を見上げて呟いた。
*
「・・・はい、
写真と似ている人物を二人発見しました。」
屋台の陰に隠れた警官が二人、
双子を見て報告していたことには気づかない。
「何処かへ移動するようです。
隙ができ次第捕獲します。」
ピ、
警官は無線を切り、歩いていく双子の後を追う。
「・・・え、遥君?」
一方、電車で陽太湖までたどり着いた3人も祭りに来ていた。
手を繋いで歩いていく二人を見つけ、理子は大きく目を見開いた。


