モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語



「あれ?蒼太、アンタ蓮君から乗り換えたの?」

さらりと衝撃的なことを口走った姉の柚子。

「・・・おい。」

蒼太は低い声で柚子を睨む。


「すいません!」

「あ、ちょっと待ってください。

・・・早く、注文言えよ。」

こっちは忙しいんだよ、と遥は言う。

3人はメニューを見て適当に決めると遥に告げた。


「ねえ、アドレスおしえてくれない?」

「え?」

柚子に言われて遥は少し考える。

「ごめん、無理。」

苦笑してそういうと遥はワゴン車のほうへ戻っていく。

「フラれたな、姉ちゃん。」

「うるさいわね。」















「は?陽太湖?」

「ああ、でも、

今日は大きな祭りがあるらしいから探すのは大変かもしれない。」

「でも、行くんでしょ?」

理子は静かに言う。

健二はそれに頷いた。

「今から行こう。」


3人は駅へと向かった。


その頃、双子の両親は意を決して電話の受話器を掴んでいた。

「・・・電話もつながらないもの。

二日待ったんだもの。捜索してもらうわよ。」

「・・・ああ。」

父親は諦めたような表情を見せる。

母親は警察へと電話をかけた。