「あれ?蒼太、アンタ蓮君から乗り換えたの?」
さらりと衝撃的なことを口走った姉の柚子。
「・・・おい。」
蒼太は低い声で柚子を睨む。
「すいません!」
「あ、ちょっと待ってください。
・・・早く、注文言えよ。」
こっちは忙しいんだよ、と遥は言う。
3人はメニューを見て適当に決めると遥に告げた。
「ねえ、アドレスおしえてくれない?」
「え?」
柚子に言われて遥は少し考える。
「ごめん、無理。」
苦笑してそういうと遥はワゴン車のほうへ戻っていく。
「フラれたな、姉ちゃん。」
「うるさいわね。」
*
「は?陽太湖?」
「ああ、でも、
今日は大きな祭りがあるらしいから探すのは大変かもしれない。」
「でも、行くんでしょ?」
理子は静かに言う。
健二はそれに頷いた。
「今から行こう。」
3人は駅へと向かった。
その頃、双子の両親は意を決して電話の受話器を掴んでいた。
「・・・電話もつながらないもの。
二日待ったんだもの。捜索してもらうわよ。」
「・・・ああ。」
父親は諦めたような表情を見せる。
母親は警察へと電話をかけた。


