「健二!理子!」
「冬樹?」
慌てた様子の冬樹に健二は不思議そうに首を傾げる。
「居場所が分かった。」
「え?」
*
「なんで、勝手に電話にでたりなんかっ・・・。」
海は泣きそうな表情で沢田を見ていた。
しかし、沢田は無表情で ゴメンゴメン と謝り携帯を返す。
「でも、ずっとこのままじゃ駄目だろ?」
「っ・・・。」
「もう二日経ってるんだ。そろそろ連絡した方が「接客してきます!」
話を最後まで聞かず、海は客の元へと向かった。
沢田は理解してくれると思っていたのは、勘違いだったのかもしれない。
そんな彼女を見て頭を掻くと、ふうとため息をついて注文を受けていた
料理を作りにかかった。
今日は祭りだ。
沢田が言っていたように想像以上に客が多い。
足は止まることなく、ワゴン車を行ったり来たりを繰り返している。
「すいませーん!」
「はーい!」
客に呼ばれて、遥は慌ててテーブルへと向かう。
「あれ?あなた、昨日商店街に居た人?」
「あ。」
遥は目を見開いた。
海と間違って手を握っていた女性が男性二人と来ていたのだ。
「あの時は、すいませんでした。」
「いいよ、気にしてないから///」
何故か頬を赤くする彼女を不思議に思いながら、ありがとうと礼を言った。
それを面白くなさそうに見ている男性に視線をうつし、
遥は口を開く。
「彼氏?」
「え!?違うよ!この子は弟の友達の蓮くん。」
「・・・どうも。」
「こっちは弟の蒼太。」
「なあ、海さんは?」
蒼太はまわりを見回しながら問う。
「今忙しいから会えねーよ。」
「ふーん。」