「健二!理子!」

「冬樹?」

慌てた様子の冬樹に健二は不思議そうに首を傾げる。

「居場所が分かった。」

「え?」












「なんで、勝手に電話にでたりなんかっ・・・。」

海は泣きそうな表情で沢田を見ていた。

しかし、沢田は無表情で ゴメンゴメン と謝り携帯を返す。

「でも、ずっとこのままじゃ駄目だろ?」

「っ・・・。」

「もう二日経ってるんだ。そろそろ連絡した方が「接客してきます!」

話を最後まで聞かず、海は客の元へと向かった。

沢田は理解してくれると思っていたのは、勘違いだったのかもしれない。

そんな彼女を見て頭を掻くと、ふうとため息をついて注文を受けていた

料理を作りにかかった。



今日は祭りだ。

沢田が言っていたように想像以上に客が多い。

足は止まることなく、ワゴン車を行ったり来たりを繰り返している。

「すいませーん!」

「はーい!」

客に呼ばれて、遥は慌ててテーブルへと向かう。

「あれ?あなた、昨日商店街に居た人?」

「あ。」

遥は目を見開いた。

海と間違って手を握っていた女性が男性二人と来ていたのだ。

「あの時は、すいませんでした。」

「いいよ、気にしてないから///」

何故か頬を赤くする彼女を不思議に思いながら、ありがとうと礼を言った。

それを面白くなさそうに見ている男性に視線をうつし、

遥は口を開く。

「彼氏?」

「え!?違うよ!この子は弟の友達の蓮くん。」

「・・・どうも。」

「こっちは弟の蒼太。」

「なあ、海さんは?」

蒼太はまわりを見回しながら問う。

「今忙しいから会えねーよ。」

「ふーん。」