「平日に祖母の家に来たっていう方が可笑しいだろ。
それに、ここらに住んでる年寄に双子の孫がいるなんて聞いたことない。」
視線をあわせず、沢田は言う。
「・・・いいんですか?」
「何をだ。」
「その、俺らを雇って。」
「クビにしていいのか?」
「それは困りますけど・・・。」
じゃあ、んなこと聞くな。と告げてもくもくと食べ始める。
「で、なんで双子は家出してきたんだ?」
「関係ないだろオッサン。」
「急に口悪くなったな、双子弟。」
適当すぎる沢田に呆れ、遥はため息交じりに答えた。
それを気にせず沢田は無表情でお茶を飲む。
「ま、関係ないけどな。
働いてくれさえすればいい。気が済むまでここに居れば?」
ごちそうさま、と言い立ち上がる。
なんだかんだいって優しい彼に、海はすかさず礼を言った。
「あ、食器片づけとけよ。」
「は、はいっ!」
自室へと姿を消した沢田を不思議に思いつつ、
海は食べるのを再開した。
「沢田さん、優しいね。」
「・・・そうだな。」
遥は座り直す。
「・・・あ、海。」
「うん?」
「風呂。」
「遥先に入ったら?」
「一緒に「入りません!///」
言うと思った。と遥は小さく笑って立ち上がる。
沢田の分の食器も流しに運び、洗う。
「じゃ、俺先に風呂行くから。」
「う、うん。」
自室に着替えをとりに戻る遥を見送った。