モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語


「言ったでしょう?あたしは遥君が好き。

なのに、あの二人は双子で結ばれるわけないのに両想い。

遥君もあたしより海をとったのよ?」

そんなの、むかつくじゃない。と言う。

これが彼女の素だと、健二は悟った。


「俺は、遥が幸せなら・・・

相手が実の家族でも、いいと思う。」

「はあ!?正気で言ってんの!?」


「決めるのは周りじゃない。遥自身だ。

これ以上、遥を邪魔するようなことしたらいくらお前でも容赦しねえからな。」


視線が交じり合う。

理子は息を飲んだ。


「・・・ウザ。」


はあー、と彼女はあきらめたようにため息をついた。


「それに俺、理子の事好きだから。

遥と付き合ってほしくないって気持ちもあるから。」

「はっ?」

理子は驚き、目を見開く。

「な、何言ってんのアンタ。

あたしの素見て引かないの?普通だったら離れてくでしょ。」

バカバカしい、と彼女は毒づく。


「引かないって!そりゃ、最初はそんな性格だって思わなかったけど、

俺、理子のいいところいっぱい知ってるし。」

「な、何いってんのよ///」

バッカじゃないの?と言う彼女の頬は真っ赤だった。

今まで、彼女の素を知った男子は必ず離れて言った。

なのに目の前の健二は、離れるどころか好きだと言ってくれる。

ドキ、

心臓が一瞬高鳴った気がした。


「遥をあきらめて、

俺と付き合ってよ。」

絶対、幸せにするから!と声を張り上げる。

プロポーズみたいな告白に理子は思わず笑った。