「ごめんね。」
「・・・っ、」
遥は海をばっと突き飛ばすと、
乱暴に部屋の扉をしめて出て行った。
「・・・なんだよ、それ。」
心がきゅう、と切なくなり涙が出そうになる。
彼は自室に戻ると扉に背を預けてそのままずるずると座り込んだ。
やっぱり、双子で結ばれるなんてありえないのかもしれない。
海は、自分の事を双子の弟として見るために
突き放そうとしているのだ。
それを彼女が望むなら、俺は彼女のためにも
この恋愛感情は忘れた方がいいのかもしれない。
両想いと知り、
少しでも期待してしまった自分が馬鹿だと思った。
遥の瞳から一筋の涙が流れた。
*
「・・・なあ、理子。」
「・・・何。」
健二と理子は放課後、誰もいない教室で二人きりで話をしていた。
健二は真剣な表情で理子を見る。
「お前は、どう思う?」
「どうって?」
「遥と、筧さんの事だよ。
あの噂のメール流したのはお前だろ。」
すべて感づかれていた。
理子は動揺せず、 だとしたら? と鼻で笑うように言った。


