モテる弟をもつ双子の姉の地味子の物語


「ごめんね。」

「・・・っ、」

遥は海をばっと突き飛ばすと、

乱暴に部屋の扉をしめて出て行った。



「・・・なんだよ、それ。」

心がきゅう、と切なくなり涙が出そうになる。

彼は自室に戻ると扉に背を預けてそのままずるずると座り込んだ。

やっぱり、双子で結ばれるなんてありえないのかもしれない。

海は、自分の事を双子の弟として見るために

突き放そうとしているのだ。

それを彼女が望むなら、俺は彼女のためにも

この恋愛感情は忘れた方がいいのかもしれない。

両想いと知り、

少しでも期待してしまった自分が馬鹿だと思った。


遥の瞳から一筋の涙が流れた。


























「・・・なあ、理子。」

「・・・何。」

健二と理子は放課後、誰もいない教室で二人きりで話をしていた。

健二は真剣な表情で理子を見る。


「お前は、どう思う?」

「どうって?」

「遥と、筧さんの事だよ。

あの噂のメール流したのはお前だろ。」

すべて感づかれていた。

理子は動揺せず、 だとしたら? と鼻で笑うように言った。