ノリ気じゃない健二を見て理子は嫌なら探るのに参加しなくていいよ、という。
気になる半分、なんだか悪いような気がしていた健二だが
そういわれてしまえば参加せざる負えない。
「誰も参加しないなんて言ってないだろ!」
「じゃ、決まり。何かわかったらメールしてね!」
じゃね、と彼女は笑顔を見せて教室から出て行った。
嵐のように去って行った理子にため息をつけば
冬樹は呆れたような視線を友人へと向ける。
「・・・なんだよ。」
「あんな女の何処がいいんだか。」
「めっちゃ美人じゃん!」
「・・・ハァ。」
見た目だけで人を判断している健二に呆れ、
次の授業の準備に取り掛かった。
*
「では、筧海を隣のクラスに移動させるということでよろしいかね?」
「ハイ。」
担任は二人が双子だったなんて、と驚きを隠せないでいたと同時に
教師の自分にまで隠していたことに多少の怒りを覚えた。
今回、合宿中での事故で身元が知られてしまった為に、
正直に双子だということを話さなければいけなくなった。
校長は申し訳なさそうな表情を見せたが、昨日の職員会議ですべてを
説明したのだ。
そして身内が同じクラスにいるということは校則上で禁止されている為に
批判がでて、やむおえずクラス移動という結果がでた。
「二人には・・・八木先生、説明してもらえますか?」
「え?私がですか?」
「ええ。担任の先生より、あなたが適任でしょう。」
「・・・わかりました。」
今日の夕方、学校が終わり次第病院に向かい
説明することになった。


