「気づかないとこで、ずっと遥に助けられてたんだね。」
「え?俺は別に、」
遥が好きだ。
きっとこれは、恋愛対象としてに違いない。
こんなの可笑しいと言われるかもしれない。
けど、想いは大きくなるばかりで止めることはできない。
「遥、大好き。」
一瞬、言われた言葉の意味が分からなくなりぽかんとした表情を見せた。
「・・・え?」
聞き返せば、海はほんのり頬を赤く染めて笑う。
「じゃあ、少しダルイし私は寝るね。」
「ちょ、う、海!?」
さっさと自分のベッドに戻り、顔を隠すように布団にもぐりこんだ。
「海!」
「・・・。」
「俺も、大好きだから。」
「っ///」
彼女はそのまま目をぎゅっとつぶり、恥ずかしさを隠したくて
寝ようと思った。
「海?寝た?」
「・・・。」
起きていたが、このまま寝たことにしておこう。
バクバクとうるさい心臓に戸惑う。
「・・・俺さ、
海の事、一人の女の子として好きなんだ。」
「っ、」
思わず目を見開く。
(それって、どういう)
「家族として、見れない。可笑しいよな、こんなの」
私もだよと言いたかった。
けれど、海には勇気がなかった。
「じゃあ、俺も寝るよ・・・おやすみ。」
シンと静まりかえった病室。
(遥も、私と同じ気持ちって思っていいの?)
嬉しさと同時に、寂しさがこみ上げてくる。
矛盾している感情をどうすればいいのかわからなかった。


