それからすぐに警察と救急車が駆けつけた。
理子が事情を説明すると、警察はすぐに指示をだし
捜索に取り掛かった。
救急隊員もそれに続く。
事が大きくなっていくことに理子は不安を覚えた。
「筧遥さんと筧海さんの身元が確認できました。
念のためにご家族に連絡します。」
「ああ、頼んだ。」
警官は二人の両親に連絡するらしい。
電話をかけていた。
「今からこちらに向かうそうです。」
「わかった。先生にも知らせておこう。」
「はい。」
その会話を聞いて理子はハッとする。
もしかして、遥と海が双子だということは先生でさえ知らないんじゃないか。
二人の親がこちらに来るということは部員全員にバレてしまうだろう。
こうなったのは自分のせいなのだ。
きっと遥に嫌われてしまうだろう。いや、すでに嫌われてしまっているに違いない。
そう思うと、胸が締め付けられ苦しくなった。
*
「はあ、はあ。」
やばい、足が限界に近いかもしれない。
だんだんと重くなっていく足に、遥は不安を感じる。
「っ・・・。」
しかし立ち止るわけにはいかない。
背中には高熱の海がいるのだ。
一刻も早く病院へ連れていかなければならないのに。
その時、
「遥ー!」
声が聞こえた。


